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運動連鎖(キネティックチェーン・キネマティックチェーン)とは

 
運動連鎖質問箱【オンラインサロン】
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運動連鎖学習塾
理学療法士による運動器リハビリテーションセミナー団体です。運動連鎖アプローチの観点から、触診・徒手療法・バイオメカニクス・動作分析・歩行分析のセミナーを開催しています。主に、理学療法士・作業療法士・トレーナー・整体師・ボディーワーカーさんが参加しています。
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運動連鎖とは

 

運動連鎖(キネティックチェーン:kinetic chain、キネマティックチェーン:Kinematic chain)は、
姿勢や運動・動作の分析もしくはエクササイズを処方する上でよく用いられる概念です。

 

「ある関節の運動が他の隣接する関節へ影響を及ぼす」という意味で、

  • 筋骨格
  • スポーツ医学
  • 神経リハビリ
  • 装具

などを含む広範囲の臨床状態で使用されています。

 

特に理学療法の分野において、
評価や病態の原因を把握するために用いられている、
人間の動きを分析するために用いられるコンセプトです。

 

 

運動連鎖の歴史

 

運動連鎖の概念は、
1875年にフランツルーロー(Franz Reuleaux)という機械工学者(メカニカルエンジニア)によって初めて導入されました。

 

フランツルーロー(Franz Reuleaux)は、
硬く重なり合ったセグメントをピンで繋ぎ合わせ、
それぞれのセグメントを介して
連動した動きを作り出しました。

 

1955年にはアーサーシュタインドラー(Arthur Steindler)博士が、
ルーローの理論を「連続した関節の組み合わせ」と理解し、
人間の動きを「複合モーターユニット」としてスポーツ固有の活動パターンや運動の分析に適用した事が、
今の運動連鎖概念の基盤となっています。

 

年号 人物 内容
1875年 Franz Reuleaux
(フランツルーロー)
重なり合ったセグメントを繋ぎ、
連動した動きを作る
1955年 Arthur Steindler
アーサーシュタインドラー)
ルーローの理論を「連続した関節の組み合わせ」と理解。
人間の動きを「複合モーターユニット」とし、
運動分析に適応

 

運動連鎖の定義

 

シュタインドラー博士は、人間の複合モーターユニットを、

  • 「遠位セグメントが自由に動かせる関節の組み合わせ」オープンキネティックチェーン(open kinetic chainOKC
  • 「遠位セグメントが自由運動を禁止(固定)された関節の組み合わせ」クローズドキネティックチェーン(closed kinetic chainCKC

に分けて定義しました。

 

分類 内容
OKC
open kinetic chain
開放運動連鎖
遠位セグメントが自由に動かせる関節の組み合わせ
CKC
(closed kinetic chain
閉鎖運動連鎖
遠位セグメントが自由運動を禁止(固定)された関節の組み合わせ

 

OKC(開放運動連鎖)

 

OKCの特徴

 

OKC(open kinetic chain)は手先や足先が固定されておらず、
自由に遠位の関節を動かす事が出来る運動の組み合わせです。


そのため、日本語訳では「開放的運動連鎖」と言われます。

 

OKC(開放運動連鎖)の利点

 

OKCは、特定の筋肉や関節をターゲット(分離)して、
リハビリやトレーニングを集中的に行う事に優れています。

 

  • 負荷量
  • 動作範囲
  • スピード

などを容易かつ安全・効果的にコントロールすることができ、
特定の運動制御の改善、強度の向上を得意とします。

 

  • 低負荷でしか運動強度をかけられない場合
  • 高強度で運動強度を増加したい場合
  • 特定の関節範囲のみ焦点を合わせて強化を図りたい場合
  • 特定の関節の可動スピードを訓練したい場合

などにOKCは効果的です。

 

OKC(開放運動連鎖)の欠点

 

人間は地面に足をついて生活をするため、
しばしば、OKCでの訓練は身体機能の改善に直接的に結びつきません。

 

特に下肢・体幹機能においてはその傾向が強く、
上肢においても機能的な動きを獲得するためには、
CKCで
機能的な動きが出来ている事が、
多くの場合、必要となってきます。

 

つまり、OKCのみのリハビリやトレーニングだけでは、
日常生活における機能的な身体機能を獲得しにくいため、

必ずCKCエクササイズを組み込んだプログラムが必要となります。

 

OKCの例

 

アームカール

アームカール

ベンチプレス

ベンチプレス

ショルダープレス

ショルダープレス

レッグエクステンション

レッグエクステンション

 

OKC
(open kinetic chain/開放運動連鎖)
● 手先や足先が固定されない
● 自由に遠位の関節を動かす事が出来る
● 特定の筋肉や関節をターゲット(分離)して、集中的に行う事に優れる
● 負荷量・動作範囲・スピードなどをコントロールしながら運動しやすい
● 直接的な身体機能の改善に結びつきにくい
※CKCでの訓練が必要
● アームカール
● ベンチプレス
● ショルダープレス
● レッグエクステンション

 

CKC(閉鎖運動連鎖)

 

CKCの特徴

 

CKCclosed kinetic chain)は日常生活やスポーツの動きと似ているため、
OKC
よりも機能的です。

 

手先や足先が固定されているため、
地面からの反作用を受けながら関節を動かす運動の組み合わせになります。


そのため、日本語訳では「閉鎖的運動連鎖」と言われます。

 

CKC(閉鎖運動連鎖)の利点

 

CKCは、障害の回復を目的としたリハビリやトレーニング、
スポーツパフォーマンスを向上する事に優れています。

 

  • 関節の安定
  • 筋肉(固有)感覚の向上
  • 一度に複数の筋肉・関節を協調的に働かせる能力

などを獲得しやすいCKCエクササイズは、
組織の治癒の促進と運動機能向上の両方に貢献する、
最も効果的な方法です。

 

CKC(閉鎖運動連鎖)の欠点

 

OKCと比べてCKCは、一度に複数の筋肉と関節の動きが組み合わさるため、
体の動きが複雑化するだけでなく、体を動かす神経系統までを包括して評価・処置する必要があるため、
セラピストの能力に依存されやすい傾向があります。

 

  • 筋肉
  • 関節
  • 神経
  • バイオメカニクス

などの幅広い知識と技術を駆使した上で、
個別の特異性に基づいた適切な評価と処方を行うための

  • 観察力
  • 分析力
  • 洞察力

も重要なファクターになります。

 

CKCはOKCに比べて機能的な動きではあるものの、
間違った評価・処方は、関節や筋肉の負担を増やしてしまうだけでなく、
間違った神経系統の運動パターンを学習してしまいます。

 

そのため、CKCは非常に高度な運動方法とも言えます。

 

CKCの例

 

腕立て

腕立て伏せ

懸垂

懸垂

スクワット

スクワット

from Nick Mascioli squat

フロントランジ

フロントランジ

 

CKC
(closed kinetic chain/開放運動連鎖)
● OKCよりも機能的
● 日常生活やスポーツの動きと似ている
●手先や足先が固定されている
● 地面からの反作用を受けながら関節を動かす
● 障害の回復に効果的
● スポーツパフォーマンスの向上に効果的
● 関節の安定
● 筋肉(固有)感覚の向上
● 一度に複数の筋肉・関節を協調的に働かせられる
● OKCに比べて動きが複雑
● セラピストの能力に依存されやすい
● 間違った評価・処方は逆に負担を増やしてしまう
● 腕立て
● 懸垂
● スクワット
● フロントランジ

 

OKCとCKCの問題点

 

学問上、運動連鎖はOKCとCKCの2つの定義に大きく分けられていますが、
人間の動きはOKCとCKCに完全に分けられるわけではありません。

 

実際の関節や筋肉は、OKCとCKCが混在となって体の動きを組み合わせています。

 

たとえ、遠位のセグメントが空中に浮いているOKCの状態であっても、
実際にはCKCと同様の筋活動を起こさないと円滑に動けない場合も多々あるため、
OKCとCKCに完全に二分した評価・処方には無理があります。

 

また、体のすべてのセグメントが連鎖的に動くわけではないため、
目的とする身体活動が、どのように関節や筋肉とリンクしているのかを見極め、
適切なリンク構造へと修復しながら、協調的に連動するようにしていく能力が
実際のセラピストには求められます。

 

運動連鎖アプローチ®︎における運動連鎖

 

運動連鎖アプローチ®︎が提供する運動連鎖は、
OKCとCKCの両方の長所・短所・問題点を理解した上で、
適切な体のリンク構造を評価・処方するために、
理学療法・代替医療・ボディーワークなどの全ての知識と技術を融合した、
独自の運動連鎖スキルを提供しています。

 

決まり切ったマニュアルや型ではなく、個別性に合わせた運動連鎖の知識と技術を提供し、
セラピスト一人一人の臨床力の向上と患者の治癒力促進に大きく貢献しています。

 

 

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